2002/11/01

[RLC021111]ルビュ言語文化 第37号

[2002-11-01] Revue Langue et Culture N.037
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[ 週刊 ] ル ビ ュ 言 語 文 化 (RLC) ── 第37号 ──

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■ 37号 もくじ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇研究室より:集団類型化による思考停止
◇おしらせ:追加訂正「論集ひととことば第3号」,他
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■ 研究室より ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
集団類型化による思考停止
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近年,若者の活字離れがすすみ,日本語力の低下が目立つという。学部1,
2年生向けの講義のレポートで,最近の若者は日本語が書けない,と嘆く同
僚も多い。

最近の若者は本当にダメなのだろうか。

団塊生まれの私自身も「このごろの若い者は本を読まなくなった」というお
説教を幼いころから言われつづけてきた。いったい,そうした大人たちは,
よく本を読み,充実した日本語力を持っていたのだろうか。

一昨年,本庄の高等学院で選択科目「日本語表現総合」を担当させてもらっ
たときは,久しぶりに高校生の熱気に圧倒された。彼らは自分のことばを探
し,熱い問いを投げかけてきた。とても「近頃の高校生は」というような気
にはなれない。

生半可な世代論は,人間を集団で括り,その集団の成員はみな同じだとする
ステレオタイプである。このステレオタイプにはまりこむと,個人の顔が見
えなくなる。

そういえば,今朝の電車でコミック誌をむさぼり読んでいる中年のサラリー
マンがいた。活字離れがすすみ,日本語力が低下しているのは,きっと若者
ばかりではなく,日本人の老若男女すべてなのかもしれない。じゃあ,外国
では?おっと,日本人,外国人・・・と簡単に類型化するなんて,あぶない,
あぶない。

「最近の学生は...」「このごろの若者は...」「男は...」
「女は...」と一括りにして扱うようになったら,自分の脳硬化を心配し
たほうがいい。                        (ほ)
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■ 私から一言 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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「私から一言」に,このメルマガの読者の方々から広くご意見を募集してい
ます。日本語教育にかかわることなら何でも結構。随時,下記のアドレスま
でメールでお送りください。       細川英雄 hosokawa@waseda.jp
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■ おしらせ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
==【訂正】==========================================================
□ 「論集ひととことば」第3号 追加公開
□ http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/htkt_jn.htm
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■落丁がありましたので訂正しました。
 −新井 久容:「自分の問題として捉える」ことの意味 
  http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/htkt02jn013.pdf
■大学院日本語教育研究科の講義・演習レポートをもとにした論考集。全文
 がPDFでご覧になれます。ぜひご覧ください。
■2002年度春の「総合」をはじめとする言語文化活動への,さまざまなアプ
 ローチが掲載されています。いろいろな角度からの「総合活動型日本語教
 育」への考察が満載。
■http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/htkt_jn.htm から,全文が
 PDFでご覧になれます。


==【新刊】==========================================================
□ 21世紀の「日本事情」─ 日本語教育から文化リテラシーへ 第4号
□ B5判 本体価格 2,000円 くろしお出版
□ http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/21c.htm
====================================================================
「日本事情」研究のための学術雑誌。理論的考察の深化,調査研究の展開,
実践的試行の蓄積,そして関連情報の共有を同時に目指す年刊の理論誌です。
お求めは,全国書店にて。
●海外の日本語教育における日本文化の学習を促すコースと教師の役割
 トムソン 木下 千尋
●講演記録:2001年日本語教育学会シンポジウム「文化」をどう教えるか,他


==【無料講演・説明会】==============================================
□ 朝日カルチャーセンター「日本語教師養成講座」講演会[無料]
====================================================================
●日時:12月7日(土) 15:30-
●第1部:講演(15:30-)「国際化のなかの日本語教師―学習・教育・研究
     を結ぶ視点―」細川英雄(早稲田大学日本語教育研究科教授)
●場所:朝日カルチャーセンター内 教室(新宿住友ビル43階)
●お申し込み:要予約(定員になり次第,締め切らせていただきます)
       朝日カルチャーセンター日本語科まで,電話またはE-Mailで
       TEL 03-3344-1965(月〜土 10:00-18:30)
       E-mail nihongo@acc-web.co.jp
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 誌 名:ルビュ「言語文化」37号
 発行日:2002年11月1日(毎週金曜日発行)
 発行所:言語文化教育研究室
     〒169-8050 新宿区西早稲田1-7-14
     早稲田大学大学院日本語教育研究科内
 編集,発行責任者:細川英雄
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/
 配信システム:まぐまぐ
     http://http://www.mag2.com/
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 登録,解除の手続きは,
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/mmaga.htm
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