2002/10/11

[RLC021011]ルビュ言語文化 第34号

[2002-10-11] Revue Langue et Culture N.034
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[ 週刊 ] ル ビ ュ 言 語 文 化 (RLC) ── 第34号 ──

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■ 34号 もくじ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇研究室より:総合活動型日本語教育の理論と実践
◇Web Site更新:授業評価アンケート公開
◇私から一言:差異化ということ 三代 純平
◇おしらせ:国際交流基金シンポ「日本語と日本研究」ほか
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■ 研究室より ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 当言語文化教育研究室では,問題発見解決学習としての総合活動型日本語
教育の理論と実践について,さまざまな角度から検討をはじめている。

 『日本語教育は何をめざすか』(細川英雄,2002.1:明石書店)での理念
をもとに,初級後半から上級までの合併クラスを作り,ここに大学院生が実
習生として入って15週にわたっての教育活動が展開される。

 2002年度秋学期は,科学研究費補助金によるビデオ作成にとりかかる予定
である。

 総合活動型学習にマニュアルがないことはさまざまに指摘されるところだ
が,あえてこのマニュアル作りに挑戦してみよう。しかし,そのマニュアル
には,非自律的な日本語教師は呆然と立ち尽くすような,そういう仕掛けが
あるかもしれない。乞,ご期待。                (ほ)
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■ 私から一言 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
差異化ということ                     三代 純平
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 細川研究室三期生の三代(みよ)です。よろしくお願いします。

 最近,JAZZをよく聴くようになりました。気に入った曲の冒頭の歌詞
にこんなのがあります。

 Sometimes I'm happy.
 Sometimes I'm blue.

 私は細川研究室で「文化」というものについて考えています。集団で何か
を画一的にとらえることの難しさから「個の文化」という,文化を個人の単
位で考えることに魅かれました。でも,個人というものだって,集団と同様
に,多様で流動的だと最近思うようになりました。あるときはhappyだし,別
のときはblueだし,二つの感情が同時に沸き起こる時だってあります。

 そして,差異化ということを考えるようになりました。集団をとらえると
きも,個人についておもうときも,この差異化が大切なのではないか,と。

 差異化,一般化という構図でことばをとらえることがあるようですが,私
は「差異化」とは一般化を退ける,永久的な「運動」であると考えます。自
分の思考はとらえようとした瞬間には別のものに変化している,そんな気が
します。
 だから「文化」ということを考えるとき,それがどのようなものか,とい
うように考えるのではなく,この「差異化」という「運動」とどのように関
わっていくか,というように考えていかなくてはいけないのでは,と最近漠
然と思っています。ただ,その思いも,常に差異化し,なかなかとらえられ
ません。「文化」について考えると,ときどきhappy,だいたいblueな今日こ
の頃です。            (早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程1年)

--【 投稿お願い 】------------------------------------------------
 「私から一言」に,このメルマガの読者の方々から広くご意見をいただき
たい。日本語教育にかかわることなら何でも結構,ただし,個人や団体の誹
謗中傷の類はご遠慮いただきたい。随時,下記のアドレスにメールをいただ
ければ幸いである。           細川英雄 hosokawa@waseda.jp
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■ おしらせ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
==【シンポジウム】==================================================
□ 日本語と日本研究 〜日本を知るための日本語とは〜
□ 国際交流基金設立30周年・関西国際センター開設5周年記念シンポジウム
□ http://www.jpf.go.jp/j/kansai/news/seminar020918.html
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 国際交流基金設立30周年・関西国際センター開設5周年記念の本シンポジ
ウムでは,専門日本語研修の中でも日本研究者・大学院生に対する日本語研
修に関連して,現在日本研究の第一線で活躍しておられる方々に報告いただ
き,議論を深めます。多数の皆様のご来場をお待ちしております。
●期日:平成14年11月1日(金) 10:00〜17:30
●場所:国際交流基金関西国際センター(大阪府泉南郡田尻町)
●申込方法等,詳しくは
	http://www.jpf.go.jp/j/kansai/news/seminar020918.html
 をご覧ください。


==【サイト開設】====================================================
□ 「みんなの教材サイト」 ---  http://www.jpf.go.jp/kyozai/
□ 国際交流基金日本語国際センター
====================================================================
 国際交流基金日本語国際センターでは,日本語教材作成を支援するために,
「みんなの教材サイト」(http://www.jpf.go.jp/kyozai/)というウェブサ
イトを開設しました。初級日本語教育素材集など自分で教案や教材を作成す
る際に利用しやすい仕組みや,教材作成のノウハウ,教案や教材を集めた「み
んなのアイディア」など,多数掲載していますので,是非,ユーザー登録の
上,ご利用いただければ幸いです。
	http://www.jpf.go.jp/kyozai/


==【無料講演・説明会】==============================================
□ 朝日カルチャーセンター「日本語教師養成講座」講演会[無料]
====================================================================
 朝日カルチャーセンターの「日本語教師養成講座」の募集にあたり,無料
講演会・説明会を開催します。ぜひご参加ください。
●日時:12月7日(土) 15:30-
●第1部:講演(15:30-)「国際化のなかの日本語教師―学習・教育・研究
     を結ぶ視点―」細川英雄(早稲田大学日本語教育研究科教授)
●第2部:講座説明会(17:00-18:15)
●場所:朝日カルチャーセンター内 教室(新宿住友ビル43階)
●お申し込み:要予約(定員になり次第,締め切らせていただきます)
       朝日カルチャーセンター日本語科まで,電話またはE-Mailで
       TEL 03-3344-1965(月〜土 10:00-18:30)
       E-mail nihongo@acc-web.co.jp
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 誌 名:ルビュ「言語文化」34号
 発行日:2002年11月11日(毎週金曜日発行)
 発行所:言語文化教育研究室
     〒169-8050 新宿区西早稲田1-7-14
     早稲田大学大学院日本語教育研究科内
 編集,発行責任者:細川英雄
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/
 配信システム:まぐまぐ
     http://http://www.mag2.com/
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 登録,解除の手続きは,
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/mmaga.htm
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(c) 2002 Hosokawa, H. Lab. 無断転載を禁じます。
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