2002/04/26

[RLC020426]ルビュ言語文化 第18号

[2002-04-26] Revue Langue et Culture N.018
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[ 週刊 ] ル ビ ュ 言 語 文 化 (RLC) ── 第18号 ──

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■ 第18号もくじ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ 研究室より
◇ おしらせ‥WEB版「論集ひととことば」第2号 ほか
◇ 刊行物ご案内‥三省堂高校国語教育春号 特集「国語表現」ほか


■ 研究室より ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 このところ研究室では,自己相対化が話題である。日本語教師にとって自
己相対化とは何かということが,修士論文のテーマの一つとして取り上げら
れているからでもある。
 日本語教師にとって自己相対化とは何だろうか。いや日本語教師に限らず,
すべての考える人間にとって,自己相対化とは何だろうか。
 たとえば,「書く」という行為は,いやが上にも自己相対化を迫られる。
なぜなら,「書く」という行為は,自分の責任において自己と対象との関係
を語ることだからだ。
 自己相対化ができなければ,自分の考えていることがわからない,だから,
何を書いていいかわからなくなる。では,なぜ自己か。
 それは,この「私」が選び取った「対象」だからだ。この責任において
「私」は「対象」を自己の問題として捉えなければ意味がない。
 そうした問題について「自分のことを話すのは怖い」といって回避したり,
あるいはプライバシーの侵害だとして非難したりのは簡単だが,これこそが,
「自己相対化」の問題だろう。
 他者に話したくないことは話さなければいいし,書きたくないことは書か
なければいい。どこまで書くか,どこまで話すかはその人自身の「対象」と
しての自己「相対化」の問題だからだ。だからこそ,他者と自己との対話の
場そのものを否定するのは,あさましき責任転嫁あるいは自己欺瞞の姿勢と
いうことになる。
 しかし,僕はそうした人々の姿勢を責めるつもりはない。そうした人たち
にはそうした生き方がある。一般論として,そうした人たちを責めたところ
で何の意味もない。世の中いろいろな人がいるのだから。
 しかし,僕はそういう生き方をしたくはない,この「私」の責任において。
(ほ)

+-【!ご意見ください!】-------------------------------------------+
「日本語教育とは何か」のコーナーでは,読者の方々の,いろいろな意見を
紹介しつつ,日本語教育の問題をみんなで考えていく「場」としたいと考え
ています。どうぞHPの掲示板にお便りをください。できれば,記名のものを
望みますが,匿名でも結構です。皆さんからの投稿を待っています。
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■ おしらせ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□WEB版「論集ひととことば」第2号
□http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/htkt_jn.htm (全文)
====================================================================
■2001年度秋の「総合」をはじめとする言語文化活動への,さまざまなアプ
 ローチが掲載されています。「私にとっての言語文化」をはじめ,「“総
 合”を分析する」「“総合”は〈日本事情教育実践研究〉たりうるか」な
 どいろいろな角度からの「総合活動型日本語教育」への考察が満載です。
■全文が,HPのPDFで見られます。乞アクセス。
■当研究室への参加を考えていらっしゃる方に是非おすすめ!
+-【!メルマガ読者様限定!】---------------------------------------+
冊子版「論集 ひととことば」をお送りします。
ご希望の方は,住所・氏名をご記入の上,切手500円同封にて返信用封筒
(A4版)を添えて,当研究室までお申し込みください。
 宛先:〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-6-1-705
    早稲田大学日本語教育研究科 細川英雄研究室
+------------------------------------------------------------------+


+【発売中】────────────────────────+
◆『日本語教育は何をめざすか―言語文化活動の理論と実践』◆
          ◆ 細川 英雄著 ◆
    ◆明石書店 2002年1月31日刊行 6,500円◆
     著者15年の「日本事情」研究の集大成。
   ことばと文化を結ぶ,画期的な日本語教育原論。
 ◇ http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/naniwo.htm ◇
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■ 刊行物ご案内 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
=【国語表現】=======================================================
□ 三省堂高校国語教育 2002年 春号
□ 特集 教室が変わる! 新しい「国語表現」の授業
====================================================================
●加藤康子 ドキドキできるクラスをめざした教師の役割
●細川英雄・高野光男 対談:新しい『国語表現』の学習をめぐって−教師
 の役割・〈評価〉の方法


=【日本文学協会大会報告】===========================================
□ 日本文学 日本文学 2002年3月号(第51巻)  日本文学協会
□ 特集:日本文学協会第56回大会報告(第1日目)
====================================================================
●細川英雄 「私」をくぐらせることの意味−ラングからパロールの言語学
 習支援へ
 ・はじめに─「母語の相対化」とは何か 
 ・言語活動の活性化への視点 
 ・協働的相互コミュニケーション行為としての言語活動 
 ・言語活動の活動化を阻むもの─テキスト・ヒエラルキーの構造と検証
 ・自分の「考えていること」を表現する 
 ・「私」の体験として育成される言語活動能力 
 ・総合活動型言語教育としての問題発見解決学習
 ・なぜ「私」をくぐらせなければならないのか 
 ・おわりに─ラングからパロールへの言語学習支援へ 
日本文学協会第56回大会の参加者との討論記録が載っています。


=【刊行】===========================================================
□ 年刊 『早稲田大学日本語教育研究』 創刊号
□ Waseda Journal of Japanese Applied Linguistics
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早稲田大学大学院日本語教育研究科のスタッフ+学生による新しい雑誌です。
■もくじ
●早稲田大学大学院日本語教育研究科開設記念シンポジウム(全文) 
●川口義一・蒲谷宏・坂本惠 待遇表現としての「誘い」 
●鈴木義昭 中国語初級段階における発話時の「停頓」について 
●戸田貴子 パラ言語情報の伝達と日本語音声教育−あいづちの音声に関す
      る考察
●細川英雄 日本語教育におけるステレオタイプと集団類型化認識
●宮崎里司 第二言語習得研究における意味交渉の課題
●吉岡英幸 振武学校の日本語教材
●惠谷容子 説明文と随筆の文章における主語の省略
●鈴木香子 ラジオの医療相談の談話の構造分析
●執筆要領 http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/wjal.htm
ご希望の方は,早稲田大学日本語教育研究科事務所まで,お問い合わせくだ
さい(gsjal@list.waseda.ac.jp)。


=【4月刊行】========================================================
□ 細川英雄 編(凡人社 日本語教師のための知識本シリーズ2)
□ ことばと文化を結ぶ日本語教育−2,400円+税(予価)
====================================================================
日本語教育における「文化」とは何か。ことばと文化の関係に着目した実践
を手がかりに,コミュニケーションとしての第二言語習得の位置づけを捉え
なおす14章。
■もくじ
●ことばと文化を結ぶ日本語教育をめざして,
●学習者参加型評価と日本語教育,   ●学習者主体とは何か,
●日本語教師のための状況的学習論入門,●内容重視の日本語教育,
●イマージョン・プログラム入門,   ●年少者のための日本語教育,
●日本語教育で重視される文化概念   ●地域社会と日本語教育,
●談話ストラテジーと日本語教育,   ●日本文化論と日本語教育,
●日本語教師のエンカレッジメントとディスエンカレッジメント,
●メディア・リテラシーの世界,    ●体験型学習の意味と方法
くわしい内容を,http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/musubu.htm
でご覧いただけます。

+-【予告:無料】----------------------------------------------------+
■「ことば・文化と日本語教育をめぐる参加者交流シンポジウム」 開催
 『ことばと文化を結ぶ日本語教育』で提案されたトピックをめぐって,
 ディスカッション形式のシンポジウムを行います。 
 ●日時: 6月9日(日) 14:00-17:00 @ 早稲田大学国際会議場会議室
 参加無料。ただし,参加希望者は,凡人社へ事前の申し込みが必要です。
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 先着80名を予定しています。(凡人社:info@bonjinsha.com)
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      発行責任者:細川英雄 hosokawa@mn.waseda.ac.jp
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  細川もなみ/Monami HOSOKAWA hosokawa@mn.waseda.ac.jp


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 誌 名:ルビュ「言語文化」18号
 発行日:2002年4月26日(毎週金曜日発行)
 発行所:言語文化研究室
     〒169-8050 新宿区西早稲田1-7-14
     早稲田大学大学院日本語教育研究科
 編集・発行責任者:細川英雄
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/
 配信システム:まぐまぐ
     http://http://www.mag2.com/
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 登録,解除の手続きは,
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/mmaga.htm
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