2002/03/07

[2002-03-07] Revue Langue et Culture N.15

[2002-03-07] Revue Langue et Culture
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[ 週刊 ] ル ビ ュ 言 語 文 化 (RLC) ── 第15号 ──

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■ 第14号もくじ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇研究室より
◇日本語教育とは何か(14) ― これで終わり、添削という病い
◇院生からひとこと‥「言語文化道場」入門体験記 三上 京子
◇おしらせ‥研究発表募集 ほか
◇刊行物のお知らせ‥『ことばと文化を結ぶ日本語教育』 ほか
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■ 研究室より ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 来週からフランスとドイツにでかける。フランスではパリを基点に、リー
ルとルマンにいき、それぞれ言語教育のセミナーを行う。リールは、旧友ア
ンドレ・ヴロダルチックの誘いによる「日本語教育における言語と文化」、
ルマンは、95-96年の交換研究当時大変世話になったマリテレーズ・ヴァサー
ルさんの新しい職場で、やはり言語教育の問題について話す。題して「新米
日本語教師はどのようにして言語と文化を体得するか」。フランスの第2言語
習得研究の水準はかなり高いが、その分野の人が日本語教育に興味を持って
くれるのはうれしい。「言語教育は対照言語を超えて考えられなけれななら
ない」とは、昨年早稲田で講演してくれたときのバサールさんのことばだ。
 というわけで、3月末まで不在となるため、本通信はしばらくお休み。次
回16号は、4月中旬、たぶん12日か19日の予定である。春や春、新年
度を新しい気分で迎えよう。                 (ほ)
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■ おしらせ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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□ドイツ語圏 大学日本語教師会 第8回 2002年 ベルリン・シンポジウム
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●期日:2002年3月22日(金)〜24日(日)
●テーマ:グローバル化時代の『日本語教育・日本事情教育』─理論と実践
●招待講師:細川英雄(早稲田大学日本語教育研究科ー・教授)
●協賛:日独ベルリンセンター Japanisch-Deutsches Zentrum Berlin

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◆『日本語教育は何をめざすか―言語文化活動の理論と実践』◆
         ◆ 細川 英雄著 ◆
    ◆明石書店 2002年1月31日刊行 6,500円◆
     著者15年の「日本事情」研究の集大成。
   ことばと文化を結ぶ,画期的な日本語教育原論。
 ◇ http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/naniwo.htm ◇
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□ 日本語教育とは何か(14)
□ これで終わり、添削という病い
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 添削問題についての、いろいろな議論の中で、個人的にもずいぶんメール
をいただいた。文意の通る範囲で、要約してお伝えしよう。

■私も実はそう思っています。(日本語教育の目的が)「「既習の文法事項
をいかに活用できているかをみ」るためだったら、あまりにもさびしい」と。
 では、細川先生が掲げている教室作りはどうやって実現するのか、それが
できればそんなに素晴らしいことはない、私もしたい!(…でもどうやって?)
 
■その活動では「一回の作文でも学習者に質問できる時間」があるの?どう
してそんなことが可能なの?結局、従来とどう教室形態が違うの? と、私
の頭の中はぐるぐる回っていきます。

■私の出発点は「話」す場をどのようにして取り入れていくかということで
すが、教室作り、ということでは全ての面において、教師の「言語学習環
境」の確立が大切なのですね。

 添削問題は、最終的には、担当者の日本語教育観の問題であると述べた。
まさに「私」はどうするか、という固有の立場が問われているわけだ。そこ
では、上記の発言にあるような、発見の喜びが必要だ。これはひとり添削問
題にとどまらない。自分の教室の責任をどう取るか、組織体として日本語教
育はどうあるべきか、そして、これからの日本語教育をどうするか。そうい
う問いを持たずに、また、そうした意見を発信せずに、管理者の言いなりに
なるぐらいなら、生まれ変わって出直してきた方がいい。
 添削問題は、これで終わり。次回からはまた、新しいコンセプトで、迫る
ことにしよう。
 以下次号をお楽しみに!                   (ほ)
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■□ご意見ください!!
 この「日本語教育とは何か」のコーナーでは,読者の方々の,いろいろな
意見を紹介しつつ,日本語教育の問題をみんなで考えていく「場」としたい
と考えています。どうぞHPの掲示板にお便りをください。できれば,記名の
ものを望みますが,匿名でも結構です。
 皆さんからの投稿を待っています。
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■ 院生からひとこと ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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□「言語文化道場」入門体験記
□日本語教育研究科1年(01春期生) 三上 京子
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 今から20数年前のこと。「日本語を教えています」「あ、国語の先生で
すか」「いえ、あの、外国人に教えるんです」「へえー、すごい、英語がで
きるんですね」「いや、そうじゃなくて・・・」こんな会話を繰り返したのも今
ではなつかしい。そしてなぜ日本語教師になったのかと問われて、日本語は
自分の言葉だし100%自信をもって教えられるから、と答えたような気がする。
しかし実際に外国人と接する中で、母語だからといって100%自信をもって教
えられるものではない、そこにはたくさんのほかの要素がある、ということ
をずっと感じてきた。その要素とは何か。これまで私がやってきたことは正
しかったのか。これからどうすればいいのか。その答えを得るために私は大
学院の門を叩いた。
 果たしてそこには・・・「言語とは何か」「文化とは何か」「あなたにとって
言語文化とは、言語文化教育とは何か」という、ハードな思考実験の場、
「言語文化道場」が待ち受けていた。それは、これまで何の疑いもなく日本
語教師をやってきた者にとって、旅人に難題をふきかけては食ってしまうス
フィンクスのような存在だった。そこを通過する者はみな必死に考え、自分
自身で答えを探さなければならないのだ。
 ところで、「道場」に入るのに特別な資格や準備はいらない。「どなたで
もお気軽にどうぞ」といった風である。しかしいったん足を踏み入れたら、
どんなに苦しくとも棄権や途中退場はできない。それは「考えることをやめ
る」こと、すなわち「人間をやめる」ことになるのだから。
 ・・・・・・・・・・・・
 さて、皆さんも「言語文化道場」に入門してみませんか。「目からウロ
コ」どころか、脳細胞全体が一皮向けてすっきりすること間違いなしですよ。

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□この欄は、大学院日本語教育研究科所属の大学院生に書いてもらっていま
す。執筆希望の方は、細川までお知らせください。
 なお、今回話題の「言語文化研究」の授業評価がリアルタイムで掲示板に
出ています。こんなおそろしい授業もある!!でも、いつでもどうぞ、どなた
でも。門を叩くものは拒まず、また去るものも追わず。
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■□「総合」レポート集ほか刊行!
□?「総合」2002年度秋学期版「25人の眠れない夜と熱い日本語、YEAH!」
□? 細川英雄編「南アジア作文ワークショップレポート集」(早稲田大学
日本語研究教育センター、2001・3)
□? 「合本 「社会」から「個」へ、「個」から「社会」へ」(早稲田大学日本語研
究教育センター・言語文化研究室、2001・3)残部僅少。

ご希望の方は、返信用封筒(A4サイズ・宛名入り)と切手(?・?は500円分
?は1000円分)をお送りください。折り返しお送りします。

★☆たくさんのお問い合わせ、ありがとうございます。研究室は、3月中閉室
となるため、ご返事が遅れるかもしれません。ご容赦ください。
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◆ 「総合活動型日本語教育」への疑問,質問に答える ◆
◆ 早稲田大学大学院日本語教育研究科言語文化研究室 ◆
 □□ http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/qanda.htm
■ なお、2001年度秋の「総合」をはじめとする言語文化活動への、さまざ
まなアプローチが「論集ひととことば」第2号に掲載されます。「私にとって
の言語文化」をはじめ、「「総合」を分析する」、「「総合」は「日本事情
教育実践研究」たりうるか」など、いろいろな角度からの考察が満載です。
「総合活動型日本語教育」に興味をおもちの方、ぜひご一読を!
 3月末にはHPにアップします。 
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毎回お届けする日本語教授レシピは楽しい授業にするためのヒント
がいっぱい!また,日本語や日本語教育,日本文化などに関する様
々な疑問・質問・悩みについても語り合います。日本語や語学教育
などに関心のある方,是非ご参加ください!(^.^)ノ
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 外国人のための日本語教育の現状と歴史を踏まえつつ,社会・文化とのか
かわりや新しいマルチメディアの教育も視野に入れて,21世紀の日本語教
育への展望を早稲田から提案します。
 早稲田大学日本語研究教育センター・大学院日本語教育研究科の専任スタッフ
による,これから日本語教育を学んでみようという方々を対象にした講座です。

□受講対象:日本語教育に関心があり,主にこれから学習を始めようとして
 いる方
□講座期間:2002年4月13日〜12月21日
□講座時間:土曜日(大学休暇期間・祝日は休講)10:00〜12:15
□講座日程:通年講義・全22回
□講師紹介等は、上記のHPをご覧ください。
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□受講期間に限り,早稲田大学中央図書館を利用することができます。
□受講終了後,希望者には受講証明書を発行します。
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【注目】ルビュ言語文化(RLC)では,日本語教育関係のメルマ
ガやホームページとのリンクを積極的に推進しています。
このメルマガとの連携に興味のある方,お便りください。
      発行責任者:細川英雄 hosokawa@mn.waseda.ac.jp
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■研究発表および授業実践報告募集
■第4回コミュニケーション教育フォーラム
 (兼・日本コミュニケーション学会関東支部大会)
□テーマ:「学習意欲とコミュニケーション教育」
□主催:日本コミュニケーション学会(CAJ)関東支部
    東海大学教育開発研究所(RIED)
□期日:3月16日(土)10:15〜17:10(9:45受付開始)
□場所:東海大学(代々木校舎2号館)http://www.yc.ycc.u-tokai.ac.jp/
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■問合せ&申込み
 〒151-8677 渋谷区富ヶ谷2-28-4 東海大学 教育開発研究所
 松本 茂 電話&FAX 03-3485-4958
      E-mail: smatsumo@yoyogi.ycc.u-tokai.ac.jp 
          (smatsumotoではありませんので,ご注意ください)

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■ 刊行物のお知らせ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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■細川英雄編『ことばと文化を結ぶ日本語教育』
  2002年4月発行予定 凡人社刊
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□ことばと文化を結ぶ日本語教育とは何か。新しい日本語教育の地平を拓く、
14氏による画期的論考。これからの日本語教育を考えようとする人、新しい
方法を模索する人、もう一度自分を振り返ってみようとする人、ここには日
本語教育の新鮮な息吹がある!もう立ち止まってはいられない!
□お問い合わせは、凡人社へ。
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■日本語教育新聞 2002年1月1日発行 800円(消費税込み)
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□大学院訪問シリーズ 早稲田大学大学院日本語教育研究科「早稲田から世
 界へ」
□日本語教育新聞社 TEL:03-3352-1900 FAX:03-3352-1911
◇日本語教育研究科・崔明淑さん(01秋期生)も出ています。

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■ 日本語教師養成学校&海外プログラムガイド2002
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□イカロス出版 2002年3月発行
□大学院で学ぶ日本語教育
  ―早稲田に行きたくなる!大学院日本語教育研究科の魅力が満載!―
  当研究室の塩谷奈緒子さん(01秋期生)も出ています。

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□アルク「月刊日本語」2002年1月号 発売
□特集「日本事情 あなたはどう教えますか?」
□http://www.alc.co.jp/gn/
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 ・日本語学習におけるコミュニケーションと社会文化行動
   ―60年代からの試みと現在の課題       J.V.ネウストプニー
 ・言葉と文化を結ぶ地平―総合活動型日本語教育のめざすもの 細川英雄
 ・「日本事情」研究の昔と今               牲川波都季
 ・日本事情の授業に潜入―佐々木瑞枝,小田切隆,泉史生ほか
 ・日本事情に関する参考文献等,盛り沢山の情報が一杯!
◇2月号には,当研究室の于之玲(01春期生)さん,4月号「日本語教師にな
 るまで物語」には,大尾嘉昭恵さん(01秋期生)さんも出ています。

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□「論集ひととことば」
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■当言語文化研究室での活動を中心にした交流誌です。
 全文が,HPのPDFで見られます。乞アクセス。
 http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/htkt_jn.htm
 当研究室への参加を考えていらっしゃる方に是非おすすめ!
 現在,第2号鋭意編集中。3月末には刊行します!
■ なお、2001年度秋の「総合」をはじめとする言語文化活動への、さまざ
まなアプローチが「論集ひととことば」第2号に掲載されます。「私にとって
の言語文化」をはじめ、「「総合」を分析する」、「「総合」は「日本事情
教育実践研究」たりうるか」など、いろいろな角度からの「総合活動型日本
語教育」への考察が満載です。
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□「21世紀の「日本事情」― 日本語教育から文化リテラシーへ」
□http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/21c.htm
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 今,最も新しい「日本事情」研究の専門誌です。最先端の理論と実践が満
載,この雑誌を知らずして「日本事情」はもはや語れません。
 くろしお出版刊。全国書店にて1〜3号好評発売中。投稿熱烈歓迎。
■第4号の投稿〆切は,4月末日です。皆さんの投稿をお待ちしています。
 投稿規程:http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/21c.htm
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      ◆ 早稲田大学日本語教育研究科 ◆
     今,早稲田の日本語教育がおもしろい。
      もっともホットでニュースな大学院,
       日本語教育研究科へようこそ。
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          入学願書配布中。
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 誌 名:ルビュ「言語文化」15号
 発行日:2002年3月7日(毎週木曜日発行)
 発行者:言語文化研究室
     〒169-8050 新宿区西早稲田1-7-14
     早稲田大学大学院日本語教育研究科
 編集責任者:細川英雄
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/
 配信システム:まぐまぐ
     http://http://www.mag2.com/
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 登録,解除の手続きは,
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/mmaga.htm
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(c) 2002 Hosokawa, H. Lab. 無断転載を禁じます。


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