2001/12/20

[RLC011220]ルビュ言語文化 第6号

[2001-12-20] Revue Langue et Culture
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[ 週刊 ] ル ビ ュ 言 語 文 化 (RLC) ── 第6号 ──

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■ 第6号もくじ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇研究室より‥日本語教育とは何か(5)「総合活動型日本語教育」って何?
◇院生からひとこと‥キーワードは『問題意識』と『自分らしさ』大尾嘉昭恵
◇おしらせ‥アルク「月刊日本語」2002年1月号 発売 ほか
◇刊行物のお知らせ‥「21世紀の「日本事情」」第3号 ほか
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□来週より大学が冬休みに入るため,「ルビュ言語文化」もお休みします。
 次回,7号の配信は,1月10日(木)となります。
 皆さん,よいお正月をお迎えください。


■ 研究室より ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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□日本語教育とは何か(5)―「総合活動型日本語教育」って何?
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 「学習者ニーズ」の恐ろしい落とし穴についての話を紹介してきたが,そ
の中で,「総合活動型日本語教育」というのが出てきた。すると早速,「こ
の「総合活動型日本語教育」って何?という質問をずいぶんたくさんの方々
から受けた。そこで,この活動について少しお答えすることにしよう。
 以下,アルク「月刊日本語」2002年1月号に掲載した原稿の一部をやや修正
してお送りする(前後の文脈を知りたい方は,ぜひ「月刊日本語」を手にと
ってほしい)。

 総合活動型学習とは,学習者一人一人に具体的な目標を設定させ,それを
解決するための,いわゆる四技能(読・書・聞・話)をフル稼働させた教室
活動を展開する教育形態である。
 このクラスでは,基本的に学習者が学習の初めから具体的な目標を持った
内容のある活動を行うことになる。たとえば,筆者のクラスでは,3ヶ月間
で「レポートを書く」という活動を行っているが,その中では,とくに,
(1) 自分の問題にひきつけたテーマ設定を行い,それをもとに,(2) インタ
ビュー・クラス内ディスカッション・原稿の自己推敲という一連の活動を繰
り返し,最後に(3) 参加者全員による相互評価を実施する。
 (1)は,いわばステレオタイプの剥ぎ取りを,(2)はインターアクションと
自己相対化および思考と表現の往還による言語活動の活性化を,そして(3)は
他者説得の論理獲得をめざした活動である。
 こうした総合活動型学習は,学習者自身の「考えていること」を知的に再
構成するための基盤づくりと言えるだろう。このような学習は学習者の問題
意識を明確化させ,学習者の知を開拓するが故に,既成テキストによる通り
一遍の概説や,社会・文化のスクリプトを示すだけの表層的な授業に対して
彼らは批判的になれる。なぜなら,ことばを学ぶとは,まさに文化を体得す
ることに他ならないからである。

 さあ,この教育実践は,あなたの実践とどのように異なるだろうか。その
上で,あなたはどう考えるか?!
 以下次号をお楽しみに!                   (ほ)
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◆ 「総合活動型日本語教育」への疑問,質問に答える ◆
◆ 早稲田大学大学院日本語教育研究科言語文化研究室 ◆
 □□ http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/qanda.htm
 □□ 当言語文化研究室で設計した「総合活動型日本語教育」に関して
 □□ 今までにいただいたご意見,ご質問に対する私の考えを述べまし
 □□ た。ご意見やご質問をお寄せいただければ幸いです。
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■ 院生からひとこと ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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□キーワードは『問題意識』と『自分らしさ』
□日本語教育研究科1年(01秋期生) 大尾嘉昭恵
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みなさんは日々の生活の中で「なぜ?」と思うことがどのくらいありますか?
「あり過ぎて数えられないよ!」そう答えたあなた!そんなあなたは,この
研究室にきっと向いているでしょう。

当研究室のメンバーは現在11名。それぞれが問題意識を持ち,『自分らし
さ』という観点から問題解決を目指しています。言い方を変えれば,『自分
らしさ』と『問題意識』がなければ,この研究室ではやっていけない,とも
言えるでしょう。常に「あなたはどう思うのか」「あなたにとって,それは
どういう意味を持つのか」が問われ続けることになるのです。そんな当研究
室の目指すものは,ずばり『強固で柔軟なアイデンティティ』の確立。

常に問題意識を持ち続けているあなた!自分らしさを求めているあなた!
この言語文化研究室で問題を解決すると共に『強固で柔軟なアイデンティ
ティ』を確立しませんか?
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『強固で柔軟なアイデンティティ』は,この本の中にあり!
◆『日本語教育と日本事情−異文化を超える』◆
   細川 英雄 著 明石書店
   ISBN4-7503-1211-8 本体:2000円.(四六判256頁)
◇ http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/akashi.htm ◇
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■ おしらせ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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□アルク「月刊日本語」2002年1月号 発売
□特集「日本事情 あなたはどう教えますか?」
 ・日本語学習におけるコミュニケーションと社会文化行動
   ―60年代からの試みと現在の課題       J.V.ネウストプニー
 ・言葉と文化を結ぶ地平―総合活動型日本語教育のめざすもの 細川英雄
 ・「日本事情」研究の昔と今               牲川波都季
 ・日本事情の授業に潜入―佐々木瑞枝,小田切隆,泉史生ほか
 ・日本事情に関する参考文献等,盛り沢山の情報が一杯!
□http://www.alc.co.jp/gn/
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□第9回 国語と日本語の連携を考える会
 http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/semi.htm
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来聴自由! 事前申し込み等不要です。みなさまふるってご参加ください。
●テーマ:自立を育てる言語教育
●期 日:2002年1月26日 15:00-18:00
●会 場:早稲田大学22号館(黄色いビル)
●話題1:Critical Thinkingからパラグラフ・ライティングへ
     加納なおみ(東京水産大学)
●話題2:自立を支援する ―ジェンダー・センシティヴの総合的教育実践
     を手がかりに
     飯田睦美(山梨県増穂南小学校)
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□ドイツ語圏 大学日本語教師会 第8回 2002年 ベルリン・シンポジウム
 ドイツ語圏大学日本語教師会主催のシンポジウムです。来年はベルリンで
 会いましょう!
●期日:2002年3月22日(金)〜24日(日)
●テーマ:グローバル化時代の『日本語教育・日本事情教育』─ 理論と実践
●招待講師:細川英雄(早稲田大学日本語研究教育センター・教授)
●協賛:日独ベルリンセンター Japanisch-Deutsches Zentrum Berlin
 連絡先  Dr. Yoriko Yamada-Bochynek, 
 Akademische Ratin Japanologie, 
 Ostasiatisches Seminar der Freien Universitat Berlin 
 Podbielskiallee 42, 14195 Berlin
 Tel.: +49-30-8385-3858
 FAX: +49-30-831-3008
 e-mail: yayo@zedat.fu-berlin.de

□このシンポジウムのための参加ツアーを大学院の張さんが企画中です。参
 加を考えていらっしゃる方,下記に連絡してみてください。
 日本語教育研究科(01秋期生)
  張 珍華(チャン・ジンハ) <changhwada@hotmail.com>
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□言語教育国際シンポジウム
□コミュニケーションにかかわる言語能力 ― テスト開発と測定・評価 ―
 パネリスト:ライル・F・バックマン博士ほか
 2002年3月21日(木・祝日) 学術総合センター(千代田区一ツ橋)

□言語能力測定に関する講演会
□「コミュニケーション能力をどう測るか:現状と展望」
 講演:ライル・F・バックマン博士(カリフォルニア大学ロサンジェルス
    校教授)
 2002年3月23日(土) 国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区
 代々木)

□言語能力測定に関するワークショップ
□「テストの設計と作成」
 講師:ライル・F・バックマン博士
 2002年3月24日(日) 学術総合センター(千代田区一ツ橋)

■以上の参加申し込みは,下記まで。
 〒101-0065 千代田区西神田2-4-1東方学会会館2F (社)日本語教育学会
 FAX:03-5216-7552 E-mail:nkg@mb.kcom.ne.jp
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□横浜市国際交流協会 主催
□講座「共に生きる地域をめざして PART2」(あと2回。各回申し込み制)
□http://www.yoke.city.yokohama.jp/
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●第1回講座(すでに終了)
●第2回講座(※申し込みは1月7日〜上記方法で受付。先着順。)
期日: 1月27日(日)14時〜16時
会場: 横浜国際交流ラウンジ(産業貿易センタービル9階)
内容: 池上摩希子氏(中国帰国者定着促進センター,『子どもメール』担
    当)による講演など。質疑応答あり。
定員: 50名(先着順)
費用: 500円
●第3回講座
期日: 2月23日(土)13時半〜16時
会場: 横浜国際交流ラウンジ
内容: とよなか国際交流協会「子どもメイト」,川崎市のポルトガル語母
    語学習グループ,横浜市内の補習教室の実践報告など。
定員: 50名(先着順)
費用: 500円
(財)横浜市国際交流協会(YOKE)
http://www.yoke.city.yokohama.jp/
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□『日本語教育論集』投稿規程・執筆要領
□今年度からどなたでも投稿できるようになりました。
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『日本語教育論集』投稿規程・執筆要領
1. 目的 ------------------------------------------------------------
本誌は,日本語教育および日本語教師教育の内容・方法に関わる研究,特
に,教育実践にもとづいた研究,新たな視点に立つ研究,将来の展開が期待
される研究の成果を積極的に公表することにより,日本語教育の発展に寄与
しようとするものである。
2. 投稿資格 --------------------------------------------------------
上記の目的に合致する内容の原稿であれば,投稿資格は問わない。
3. 原稿の種類 ------------------------------------------------------
投稿原稿は未発表のものに限る。ただし,学会における口頭発表等を論文の
形式にまとめなおしたものも未発表とみなす。投稿原稿の種類は以下のとお
り。
 研究論文:オリジナルな知見や提言を含む理論的,実証的な研究論文
 報告:教育実践の報告・分析,調査報告,等。
 研究ノート:上記の研究論文および報告に至る前の,萌芽的・探索的な段
 階の研究・報告,等。尚,特定のテーマを設け,内外の研究者に執筆を依
 頼することがある。

*問い合わせは,文書・FaxまたはE-mailで編集委員会まで。
〒115-8620 東京都北区西が丘3-9-14
国立国語研究所『日本語教育論集』編集委員会
Fax 03-3906-3530 E-mail  ronshu@kokken.go.jp
URL http://202.245.103.41/kenshu/jg/ronsyu/ronsyu.htm
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毎回お届けする日本語教授レシピは楽しい授業にするためのヒント
がいっぱい!また,日本語や日本語教育,日本文化などに関する様
々な疑問・質問・悩みについても語り合います。日本語や語学教育
などに関心のある方,是非ご参加ください!(^.^)ノ
      http://www.kfcs2000.com/f/index.html
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【注目!!】
ルビュ言語文化(RLC)では,
日本語教育関係のメルマガやホームページとのリンクを積極的に推
進しています。
このメルマガとの連携に興味のある方,お便りください。
      発行責任者:細川英雄 hosokawa@mn.waseda.ac.jp
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■ 刊行物のお知らせ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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□「論集ひととことば」創刊号 刊行
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 大学院日本語教育研究科開設に伴い,従来の「ひととことば」(ひつじ書
房発売)を一新し,当研究室での活動を中心にした電子媒体による新方式の
交流誌を刊行します。半期1冊のペースで,大学院生のレポート等を掲載し
ます。内容は,HPのPDFで見られます。乞アクセス。
http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/htkt_jn.htm


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□「21世紀の「日本事情」― 日本語教育から文化リテラシーへ」第3号
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 今,最も新しい「日本事情」研究の専門誌です。最先端の理論と実践が満
載,この雑誌を知らずして「日本事情」はもはや語れません。くろしお出版
刊。全国書店にて好評発売中。投稿熱烈歓迎。
http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/21c.htm
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 発行日:2001年12月20日(毎週木曜日発行)
 発行者:言語文化研究室
     〒169-8050 新宿区西早稲田1-7-14
     早稲田大学日本語教育研究科
 編集責任者:細川英雄
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/
 配信システム:まぐまぐ
     http://http://www.mag2.com/
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 登録,解除の手続きは,
     http://faculty.web.waseda.ac.jp/hosokawa/mmaga.htm
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(c) 2001 Hosokawa, H. Lab. 無断転載を禁じます。

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