八ヶ岳アカデメイア――既刊一覧

言語教育とアイデンティティ―ことばの教育実践とその可能性

  • 表紙細川英雄(編),春風社[紹介ページ]より2012年1月刊行
  • 2940円(税込)/A5判/ISBN:9784861102899
  • 関連記事: 春風社の『目録新聞』に「この研究室が面白い!―細川英雄研究室(早稲田大学大学院日本語教育研究科)」が掲載[PDF:ダウンロード

「はじめに」より

ことばは人をつくり文化をつくり社会をつくります。では,人は何のためにことばを学ぶのでしょうか。

言語教育が,その重要な問いを見失ったまま,「効果的な」な教育方法を求めて突き進んできたツケが今,日本のことばの教育を根底から揺さぶることになっていると考えることができます。

本書では,言語教育そのものが人間形成の支援であり,人間によっておこなわれる文化的かつ社会的な営みであるという視点に立ち,ことばの教育をアイデンティティという観点から新しく総合的に捉えなおす試みとして位置づけます。ここでいうアイデンティティとは,個人がさまざまに有している複数の自己の姿であり,そうした複数の自己の形成・更新にとって,言語教育はどのような意味を持ち,どのような役割を果たすのでしょうか。こうした問題を,言語教育政策への提案も視野に入れつつ,継続的な議論を積み上げていく場が今,本書によって,拓かれようとしています。(一部改変[全文は春風社のページから])