八ヶ岳アカデメイア――既刊一覧

実践研究は何をめざすか――日本語教育における実践研究の意味と可能性


実践に参加する人たちが,協働で,かつ,批判的にその実践を省みること,そして,その際に「社会を変革する」という意識を持つこと……。本書は,「実践研究」とは何か,「実践研究」とはどうあるべきかという根本的な問いを追究するものである。改めて「実践研究」を問い直した理論編と,その議論を共有しつつ,それぞれの実践研究をもとに執筆された実践編の二部から成る。

目次

  • 今なぜ実践研究なのか――言葉の教育の課題と展望
    細川英雄
  • 第1部 理論編
    第1章 実践研究はどのように考えられてきたか――日本語教育における歴史的変遷
    市嶋典子・牛窪隆太・村上まさみ・高橋聡
    第2章 新しいパラダイムとしての実践研究――Action Researchの再解釈
    三代純平・古屋憲章・古賀和恵・武一美・寅丸真澄・長嶺倫子
    第3章 社会に埋め込まれた「私たち」の実践研究――その記述の意味と方法
    三代純平・古賀和恵・武一美・寅丸真澄・長嶺倫子・古屋憲章
    第4章「実践の用語」と「理論の用語」――実践研究における論文のあり方を再解釈する
    牛窪隆太・武一美
  • 第2部 実践編
    第5章 介入する他者,つなぎ目としての多文化教育コーディネーター――高等学校における実践研究共同体創出の可能性
    武一美・井草まさ子・長嶺倫子
    第6章「イベント企画プロジェクト」の挑戦――実践共同体が立ち上がるプロセスに埋め込まれた共生のための言語活動
    古賀和恵・古屋憲章・三代純平
    第7章 日本語学校におけるカリキュラム更新――大学院進学クラスの継続的な実践がもたらしたもの
    佐藤正則
    第8章 参加者の生活・人生にとって教室実践活動はどのような意味をもつのか――教室の外からの視点
    高橋聡
    第9章 結節点を結ぶ――「あの実践」の手ごたえと価値をめぐって
    山本冴里
    第10章「生きることを考える」ための実践研究――高等教育機関における教師養成のあり方をめぐって
    山本晋也・細川英雄
  • あとがき
    希望をつなぐ
    三代純平